Windows 8とMac OS X Lion

時期尚早であることを前提に、Windows 8が何となく気に入らないのはまたフットプリントが増えていそうなところだ。大増量したWindows Vistaをダイエットした”だけ”でそこそこヒットしたWindows 7に気をよくしたMicrosoftが景気良く大規模開発を行って、シェルを太らせたようにも見えるのが気になる。

だが一方で、フットプリントに余裕の無いARM SoCをターゲットデバイスにしている分、さらにダイエットしている可能性もある。MSのコメントとしては、Windows 7が動くPCはWindows 8が動くそうだ。Windows 7が要求するリソースはWindows Vistaと同じ位だから、要はWindows Vistaが動く程度のリソースがあるPCならWindows 8が動くはずだ、時期で言えば実に5年も昔のPCでもWindows 8が動くことになる。。。。。ならないな。

実際このコメントは要求されるリソースの話だけであって、実際に5年前のPCでWindows 8が動くかは、主にデバイスドライバのサポート差加減から難しいだろう。5年前のPC用に新しいOS用のデバイスドライバ書いてくれる会社はあんまりいない。新しいOSは、新しいPCでというのが正しい新OSの使い方だと思われる。

ARM SoCの要求リソースは、何か変なやり方をするらしいという話だけは漏れ聞こえている。簡単に言えば、MicrosoftがサポートするSoCをある程度一方的に決めちゃうらしい。恐らく、Androidの現状をウォッチした上での話なんだろうとは思うが、中華系の安価なARM SoCにWindows 8が載る事を期待していた私にはショックなニュースだ。

一方のAppleは、Mac OS X Lionをダウンロード販売のみとした。へー、まぁ、そうだよね。OS単体の価値を特に重要視していないAppleらしいやり方だ。実際の使い勝手は未知数だが、小改良の積み重ねなのは相変わらずか。Microsoftとは違い、OSの開発ラインを3つも4つも持っていないAppleは、というか、観察するに多分2つしかないんだけど、iOSに力を入れれば入れるほど、Mac OSに割くリソースが減る。元よりパソコンベンダとしては世界5番手辺りにいるAppleが、パソコンで世界一になる事は今後まず無い。5番手のパソコンよりは、世界一のスマートフォンに力を入れるのは当然で、それが故に、パソコンにかける力が目に見えて減ってるのは、これぞ時代の流れって感じの出来事だ。

どこぞの記事でも話題になっていたかもしれないが、タブレット用に携帯用のOSを拡張したAppleと、PC用のOSをさらに”拡張”したMicrosoft。旧来のデスクトップの概念にとらわれないシェルを獲得し、昔から細々と出荷されては売れずに潰れていったタブレットを、一躍流行のデバイスにしたのはAppleだ。実際にiPad2のシェルはいい意味で完成されており、もうとんでもない事なっている。これに勝るシェルがあるんだろうか甚だ疑問だ。にもかかわらず、PC用のOSの改良でタブレットに挑むMicrosoftは何を考えているんだろう?一言で言わせてもらえば、センス無いなぁ。残念だ。