98互換機よ永遠に完結編

98互換機をめぐる旅はオリンピックが終わり2022年になっても続いていた。

主に使用している機種は以前と変わらず、5インチはデスクトップ型PC-486GR、3.5インチはノート型PC-486NOTE AUで変わらず。86音源がスピークボードに変わった程度で構成には変化がない。

デスクトップ型

デスクトップ型に関連する話題としては、386GSや486GR等をその時々安かったからとかいう理由で買ったりしていたが、そのたびに置き場所に困り売却するというのを繰り返している。今現在はもうちょっと懲りたので暫くいいやという状況。小さいデスクトップならありかもと思ったりもしたが、ノート型が既に結構な数あるのでこっちもパス。性能的には486に偏っているので次に買うとしたらもっと遅い286が欲しい。

それにしてもEPSON製のデスクトップの稼働率はすごい。大抵動く。10台ほど買ったと思うが、全く動かなかったのは1台とかその程度だったと思う(小型デスクトップに搭載されているSONYの電源は地雷なのを思い出した。小型はヤバいかも)。もともと主基板のコンデンサの数も少ないし、バックアップ電池の場所もいいので設計の影響が大きいと思う。

先にも書いたがスピークボードを入手したので喜び勇んで試運転中である。スピークボードにはBIOSが無いのでGR内蔵のFM音源と競合しないのが非常に具合がいい。

ノート型 (486シリーズ)

ノート型は機種を問わずTFTモデルを買って直すというのを繰り返している。TFTモデルは流量がそこまでは無いので、3・4か月に一回買うチャンスがあるかないか程度の頻度で入手を試みている。流量が無いと言いつつも意外とタマ数がまだあり、EPSON互換機の底力を感じる。流通している品でメンテナンスはされていないが、まだ動いているって個体はさすがにもうほぼない状況だ。何かしらのメンテナンスは必須。

相変わらず、しばしば電源の入らない個体があり修理が出来ていないのだが、これに関しては、コンデンサの交換では直らないんだろうというくらいのところまでは判った。スピーカーに唸り(ノイズ)が入る症状はコンデンサ交換で直るのは判った。

大きな変化があったのはTFT液晶パネルが高騰したことだ。TwitterでLCDの高騰についての書き込みがあったがこの情報が本当であれば、中国の工業機械のパネルとして使われるらしく、5年前(2017年)に$50~70だったパネルが、$300~400まで高騰し、eBayやAliExpressでメンテナンスされたパネルを買うという手段が取れなくなった。

まことに面倒ではあるが、昔書いた通りにNEC製のノートPCで同じパネルを使っている機種があるので、そこからパネルを拝借することで一応の解決策となっている。Twitterの人も同じことを言っていた。一応というのは、コンデンサがいかれているパネルがそれなりになるので、制御基板やインバーター基板のコンデンサを全部交換する状況にしばしば遭遇する。

交換作業自体はそれほど楽ではないのだが、4・5回やった経験からするとこの基板自体は交換作業程度では滅多に壊さないので、視力が許す限りはこれでいけるだろう。一回ランドを剥がしてしまったことがあるがジャンパを飛ばすだけでなんとかなった。部品取りとして予備の基盤もそれなりにある。というか腐ったパネルから取り外したら溜まったというか。

TFT液晶パネルの偏光フィルム交換の練習をしたことがあるが、時間的な理由で割に合わないと思われるので、TFTパネルのためのフィルム交換は恐らくしないだろう。

フィルムの交換という意味では、486NOTE AS辺りで使われた白黒パネルの流通が既に途絶えているためこっちのパネルの偏光フィルムを交換するということはあるのかもしれない。これも練習したことがあるが、フィルムを剥がした後の糊がきれいに取れないのが面倒でそこで練習終了となっている。糊の問題が解決すれば、白黒パネルに付属するインバーターの故障はコンデンサ交換で大抵直るので、白黒モデルのLCDを自前で直せる可能性がある。糊を剥がすための溶剤に何を使うか、それは安価で大量に入手できるかという話になる。

他方、カラーSTN液晶パネルの修繕の方は相変わらずコスパが悪い。STNの液晶パネル自体は$100程度で入手可能であるが、液晶に付随するインバーターが直せない。それほど修理を試みた回数があるわけではないが、手持ちのインバーターはヒューズが切れていた。コンデンサとヒューズを交換したが、通電するとヒューズが切れるのでまだどこか壊れている。2個試して2個同じ状況なので、同じ故障なのかもしれないと放置して既に半年ほど経っている。

このインバーターをLCD化するという話も散見されるが、STN液晶はコントラスト変更が必要でただ光ればいいだけでもなさそうであり、その辺の知見が無い私はLCD化に関しては見ているだけの状況だ。

ノート型 (586シリーズ)

EPSON PC-586 ATを入手した。残念ながら液晶はDSTNモデル。ニコイチを経て一応稼働する個体になった。パーツを集めている間にはAT用の2nd FDDなる珍品を見かけたこともあったが、確か6万ほどの値が付きまったく手が出なかった記憶がある。

PC-586 ATは 2nd FDDとTFT液晶があれば最強のゲームマシンになるか?と思ったのだが、ATはFM音源とPSG音源のミックスが変かもしれない。FM音源の音が小さい。手持ちの個体が2台ともそうだったので、この機種の特徴だったとすると、以外なところに弱点があったなーと気づかされた機種だった。

結論で言えば486AU、AVのTFTモデル2FDDがゲームマシンとして非常に使いやすいという結論に変わりがないと思っているし、新製品がもう出ない現状では恐らく未来永劫そうだろう。

それじゃ、586 ATの存在理由はというと、内蔵CD-ROMと内蔵CFとのデータ交換ができる便利な機種となっている。運用上Windows 3.1が一番好ましいと思っているのだが、ビデオドライバが入手できなかったのでWindows 95で運用している。

その他 (ビデオドライバ)

EPSON 486NOTE AS等用のビデオカードのoemsetup.infのサルベージに成功し、Windows 3.1でビデオカードのクリーンインストールができるようになった。サウンドカードやPCカードサービスはオリジナルのFDを持っているのだが、ビデオカードはなかったのでこれでWindows 3.1環境がぐっと身近になった。ただ、実のところ2FDD環境を主に使っているのでサウンドビデオカード自体を使っていない。

サルベージの方法だが、Windows 3.1のoemsetup.infはsystem.iniに書き込むレジストリ値をベタで書いたものなので、system.iniの該当部分が判れば、記法・文脈を読み取った上でoemsetup.infが書ける。書けるのは知っていたのであが、実行する時間が無かったのを今回捻出して実行した。

同じ方法でPC-486/586 ATのビデオドライバも復活できるのだが、そのためにはWindows 3.1プリインストールモデルのHDDが生きているATを入手する必要がある。ん-。7年前位に持っていた気がするが既に手元にはなかった。ということで、こっちは無理筋の気配を漂わせている。3年位かければなんとかなるかも。

もっとも、PC-586位までの馬力があればWindows 95が難なく動くので、Windows 95でいいじゃないかと言われれば、そうかもしれない。普通に使う分にはWindows 95でいいと思う。