責任の所在を明らかにしないことで定評のある東芝は、今回の不祥事にあたり事業部を丸ごと潰して責任を取らせるという手段をとる模様。あぁなるほど。
東芝、パソコン生産から全面撤退へ 杭州工場を売却 富士通、VAIOの工場に生産を委託
http://www.sankei.com/economy/news/160216/ecn1602160002-n1.html
以前、東芝をネタにしたとき、東芝の事業規模で深化をやると悲劇が起きると書いたのだが、それに近い事象が発生しているようで、現場の阿鼻驚嘆が聞こえてきそうだ。何せ2015年度で900万台レベルあった生産規模を2017年に300万台にするってんだからねぇ。おぉ、おっかない。
年末の事業所の閉鎖の発表あたりから感じていたことだが、どうやら東芝はパソコン事業を本気で辞めたいと思っている様子があり、そこはもう損得勘定とは別のレベルで、東芝V字回復のための生贄にパソコンも含め、事業部を2つ3つ丸ごと捧げて私たちは変わりました宣言をする。ってのが今考えているシナリオで、そのための準備を着々と進めているのだろう。
東芝ほどの巨大な会社でコンプライアンスだ、ガバナンスだといったところで19万人のグループ会社が一丸になれるはずもなく、こんな超特大級の不祥事に対してどういう感じでオチをつけるのかと思ったのだが、なるほどこれなら合点がいく。完全なまでに切り離した上で、後は白を切るつもりなのだ。
歴代の社長3人も同じやり方で切り離したんだから、赤字の事業部を切り離すのに躊躇はないだろう。
先のネタ中で話題にした富士通も既にPCと携帯端末事業を子会社化しており、図らずともここに国内企業のPC事業の終わりの図式が完成した。この辺の流れは非常に急で先のネタを書いている段階でまさかこうなるとは全く思っていなかった。
VAIOが35万台、東芝が300万台、富士通の台数がそのまま残るとして300万台レベル、ここに735万台規模の立派な弱者連合が成立する見込みだ。735万台ってのはトップグループの生産数5000万台の7分の1程度しかない。
新会社の今後だが、東芝と富士通は、各々のPC事業を連結から外したい意向があるので日本産業パートナーズが合併後の大株主になることは間違いない。
VAIO統合の新会社、日本産業パートナーズが過半数取得検討
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2F1656JTSED01.html
合併後は、株主のなすがままいいように食い散らかされる事業の様がみえるし、言い方を変えればそれぐらいやらないと735万台なんて台数の事業は成立しない。
いやぁ、とかくこの世はままならないねぇ。