新生VAIOはいかなる存在なのか、SONYタイマー改め、VAIOタイマーは存在するのか?という話。
今のところ、新生VAIOが考えたVAIOらしいVAIOってのは、「高い部品を使って」「高密度実装を行った」「軽薄短小PC」を作るという事らしい。まー、そうかもね。
で、新生VAIOのどの辺にケチをつけてやろうかという話だが「安曇野FINISH」なるものは、今の所リップサービスでSONY時代から変わってないんじゃなかろうか?SONY VAIO時代で「高い部品」「高密度実装」「軽薄短小」なPCは「SONYタイマー」なる品質懸念がついていたのだが、あれ?その辺ってVAIOで同じポリシーを貫くなら同じく憑いてくるんじゃないの?と思うのだ。
ここで例に出すのは松下だ。松下は、「高い部品を使って」「高密度実装はそこそこにして」「弁当箱みたいなPC」を作る会社だ。軽薄短小と堅牢は相反するキーワードであることを松下は良く知っていて、軽薄短小をやらない。一方で軽いと堅牢は両立可能なので、松下は「弁当箱みたいな軽いPC」を松下のデザインアイデンティティとしているわけだ。
VAIOに話を戻すと、要素キーワードが変わんないし、従業員が昔と同じならいくら品質改善したといってもVAIOなりに改善したってとこ止まりだろう。品質が良いってんなら、MTBFかMTTFが以前の機種に対して何%向上したか、比率でいいから(実値いらんから)後で言ってみろって感じではある。
まーその辺は無理だろうけど。
ところで、実際に工場見学をしたという記事があるので見てみよう。写真もあるし工程がそれなりに細かく紹介されているので、VAIO品質の一端(とその陰)を垣間見ることができる。
VAIOのモンスターPC製造現場を徹底取材して見えてきたMADE IN JAPANのすさまじいものづくりとは?
http://gigazine.net/news/20150305-vaio-azumino-factory/
記事を見れば判るとおり、組立以外はほとんど自動化されているので、「徹底したこだわり」のこだわりってのは「組立にこだわりあり」って言ってるようなものだ。じゃ、VAIOの組み立てのどこにこだわりがあるかというと、出荷後の外観チェックが「外観検査認定証」なるものを持つ専任者が行う所だろうか?外観のチェックはどのメーカーもやっているとは思うが、一機種100万台も作るようなメーカーだと、この辺の検査に専任者がいるとは思えないし、場合によっては全数検査じゃなく抜き取りの可能性がある。そういった会社の場合は、箱を開けると異物が入ってた。新品なのに液晶画面に指紋が。みたいな事が起きる。この辺の話はMade in Chinaでは残念ながらしばしば聞く話だ。
とはいえ、外観検査は壊れないのを確認する検査じゃないし、良く動画で出たりする耐久検査ってのも全数やる検査じゃないので、やっぱり品質面ってSONY VAIOと同じじゃなかろうかってのが今の所の印象で変わりがない。
「製造しやすいPCが作れない」VAIOは組立従業員の入れ替えが激しい中国じゃ組立は無理で、日本で組み立てるしかないってのが「安曇野FINISH」の隠れキーワードだろう。昔何か書いた気がするが、最近の軽薄短小PCは組立に接着剤や両面テープを使うことが増えたので、やり直しが効かない工程があるのだが、見て頂ければ判るとおり、VAIOにもやっぱり両面テープなどで固定を行う工程があって、その辺に精度を求められるVAIOの組立は中国じゃ無理だと思った次第。ここを安曇野スゲーと思うのか、あーやっぱりねー(これじゃ日本製にせざる負えない)と思うのかは各自の自由だ。