VAIO Phoneは何が「ガッカリ」だったのか。

規模が小さいが、その規模に見合わないブランド力があるVAIO社は話題作りのために話を「盛る」、その「盛った」話に乗っかったVAIO好きの期待を裏切った。というのがこの話題の概要だと思ってちょっと調べてみた。結論から言うと、話を盛ったかといえば「Yes」、だがその背景には「開発遅延に伴う準備不足」という問題が浮かび上がるし、VAIO自身が仕掛けた「炎上商売の反作用」が見えてくる。

Impressで見てみると、話の流れはこんな感じだ。事の始まりは、2014年の暮の発表からだ。

VAIOブランド初のスマホ発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20141225_681823.html

「詳細は後日」

その後、VAIO Phoneの話がでたのは2015年の1月。ここで誰が思い出したのかSONY時代に人気があった迷機「VAIO P」というキーワードが。

かつてVAIO Pで協業した日本通信とVAIO。両社にVAIOスマホの狙いを訊く
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20150126_685289.html

今見ると、この段階で既に「スペックは普通でデザイン重視」というキーワードが出ている。「尖った製品ではない」、「VAIO Z」や「type P」とは違うと明言されているのだから、この記事の内容と現実は何の相違もないのだが、ユーザーの印象はどうだったんだろうか?と思わなくはない。

日本通信、VAIOスマホのパッケージを初公開。2月の発売に向け準備は順調
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150130_686152.html

「今日は、中身をお見せしたいが契約上、お見せできない。」

さて、なんでここで焦らす必要があったのかは判んないが、「準備不足に起因する遅延」の場面において、「準備は順調である」とか、「売り上げは上乗せできそう」みたいな発言は「死亡フラグ」に見える。実際そうだった。

こう見ると、「VAIO PhoneはVAIO PC同様こだわりぬいた逸品です。」というメッセージが出たことはないことが判る。だがしかし、そうでないとも言っていない。

他方で、VAIO PCは現在においても品質にこだわった製品であるということを明言している。これが燃料となって、VAIO Phoneが値段ばかり立派で普通以下の製品であったという話題で炎上騒ぎが起きた事は否定できない。

本質+α
http://www.vaio.com/quality/

ここで気づいたが、vaio.comからvaio phoneの製品詳細には飛べないのね。既に鬼子扱いなのか、あらら。

VAIO(R) Phone
http://www.bmobile.ne.jp/vaio/index.html

この話、個人的な印象では、VAIO側が自社のブランドを上手くコントロールできなかったという不手際であり、ブランドに乗っかりたかったb-mobileはとんだとばっちりだっただろう。気の毒に。

さて、このVAIOスマホ話には続きがあるらしい。

VAIO、サードウェーブ、トリニティがWindows 10スマホ開発へ
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20151014_725473.html

>>日本通信から発売された「VAIO Phone」はいわばライセンスを供与する形だったが、今回はVAIO社自身が手がけるモデルで、
>>「VAIO社として初めてのスマホ」という位置付け。スペックとしてはミドルクラスになるとのことで、
>>法人向けとあってContinuumもサポートすべく検討している。発表会は2016年早々になる見通し。

との報だ。またしても「ミドルクラス」というキーワードが既に出ていて、後の遺恨禍根を生みそうな気配がするのが興味深い。

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